(白井 2008) 外国語学習の科学 第二言語習得論とは何か 第3章

外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)

第3章 どんな学習者が外国語学習に成功するか

国語学習の適性

国語学習者に向いていない人は、実際にいます。アメリカでは「外国語学習障害」というものが認められつつあり、他の科目の学習は普通にできるが外国語だけはだめ、という学生がいることが知られています。筆者の前任校のコーネル大学でも、外国語学習障害と認定されれば、必修の外国語を免除されていました。コーネルは外国語を二年間取らないといけないので認定されないと、その学生は大学を卒業できないわけで、外国語学習障害の認定は事情に重要なわけです。

適性と学習方法をどうマッチングさせるのか

適正に関する研究は、第二言語習得論の世界では、あまり人気がありませんでした。これには様々な理由がありますが、そのうちの一つは、適正という考え方そのものが差別的だ、という見方がある、ということです。