2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧
第2章 なぜ子どもはことばが習得できるのか 「臨界期仮説」を考える 第2言語習得に成功するのはどんな学習者か 様々な要因に関して、外国語学習の成否にどのような影響をあたえるかが研究されてきましたが、これまでの研究から、どういう学習者が外国語学習…
著者は言語学・言語取得論の専門家で、現在はピッツバーグ大学言語学科教授、上智大学国際言語情報研究所客員研究員、言語科学会会長。 プロローグ 外国語を身につける,とは 筆者はアメリカの大学で応用言語学を教ええいますが、アメリカ人は外国語があまり…
バイリンガルに脳損傷が生じた患者に対して、その後の言語の状態を調べることにより、バイリンガル機能の脳局在性を調べることができる。過去の調査結果の分析では、第2言語獲得の状況により脳の異なる部分に機能が局在することが分かってきた。 Clin Psycho…
統計上、自閉症の発症率は増加しつつある。診断技術の進歩もその一因であろうが、何らかの環境因子の関与も否定出来ない。しかし、増加しつつある自閉症を説明できるほど、環境は悪化し続けているのか? Curr Opin Neurol. 2010 Apr;23(2):103-10. Contribut…
バイリンガルの場合、同じ意味の単語を各言語ごとに別々に覚えなければならないため、年齢相応の語彙を維持するための負担はモノリンガルよりも大きい。 Child Dev. 1992 Aug;63(4):1012-20. Measuring bilingual children's receptive vocabularies. Umbel …
モノリンガル児は、対象物の性質とその名称とを関連付ける傾向が強く、バイリンガル児はむしろ対象物の社会的なコンテキストと名称とを関連づけようとする。そのため対象物の名称の記憶という点では、バイリンガルはモノリンガルと比較すると不利な傾向があ…
第1章 「教えない」英語教育のすすめ 安易なバイリンガル幻想への警告 私は、アメリカで13年にわたって、約1000人の日本人駐在員の子どもたちの教育に携わった。 (中略) 私にとって一番ショックだったのは、英語でも日本語でも会話では意思疎通ができるの…
第3章 海外駐在・帰国子女のバイリンガルへの道 賢い親子は選択する(海外へ滞在する親子の方へ) 母語を持たない「国際人」 どの言語でも抽象的思考ができず、複雑な表現もできない多言語使用者のことをセミリンガルといいます。海外在住子女は一歩間違えば…
第2章 バイリンガルを科学する 日本人児童・生徒の海外における学習言語(英語)の習得 海外在住の日本人児童・生徒の日本語・英語語彙力の追跡調査の結果。 このように小学校全部を一つの言語で通し、その言語を母語とし、その基礎を習得した後、異なる学習…
この本の著者は、海外在住・帰国子女の言語力と知的発達に関する研究の専門家。 第1章 バイリンガルの世界 言語の習得 母語の習得 そして、2歳から10代の初期、思春期までの間、誰でも第一言語である母語習得の可塑性が保たれ、各個人はこの期間、周囲からの…
バランス・バイリンガルを目指すためには、どのような教育施設を選ぶのがベストなのか? それを考えるためには、まずどのような選択肢があるのかを把握しなければならない。中島は①全日制の日本人学校、②現地校+補習校(塾)の二つを挙げている。 全日制の日…
Cortex. 2009 Feb;45(2):154-63. Epub 2008 Feb 5. Cognitive neuropsychological and regional cerebral blood flow study of a Japanese-English bilingual girl with specific language impairment (SLI). Uno A, Wydell TN, Kato M, Itoh K, Yoshino F. …
以前、バランス・バイリンガルを目指すのであれば、米国で行われているバイリンガル教育「過渡期バイリンガリズム」は向いていないと書いた。 過渡期バイリンガリズム transitional bilingualism 主要言語の授業についていけるようになるまで一時的に2言語を…
「バイリンガル教育の方法 第10章」では、セミリンガルの定義としてロングマン応用言語学用語辞典からの引用を使っていた。 セミリンガルという用語について セミリンガルという用語は多岐にわたって使われているが、厳密には以下のような意味であり、言語学…
第3章 バイリンガル幻想を検証する なぜ幼児期からの英語学習を望むのか? 「適度な」期待と「過度な」期待 なぜのびのびとした子育てができないか? 子どもの時から学べばバイリンガルになるか? ネイティヴのようになる必要があるのか? 国際社会を生き抜…
過激なタイトルである。しかし、内容はそれほど過激ではない。事実を淡々と積み重ねていく。 第1章 在米日本人子女と過ごした13年 海外子女の学習方法の選択肢の一つに、現地校+補習校(塾)があることは、前記したとおり。 英語圏に来た多くの日本人子弟は…
第11章◆バイリンガル教育の外国語教育への貢献 興味の対象外。お休みします。
第10章■バイリンガル教育への疑問 どのような行為にも、メリットとデメリットが存在する。何を行うべきか判断するときには、ニュートラルな立場で両者を天秤にかけなければならない。 バイリンガル育成否定論 「基本的には人間は生まれつきモノリンガルであ…
第9章■バイリンガルと文化の習得 この章もおやすみします。
第8章*日系人子女とバイリンガル教育 この章は私の興味の対象から外れるので、ちょっとおやすみ。
第7章*海外子女とバイリンガル教育 全日制の日本人学校とバイリンガル 海外子女の受け入れ先としてまず挙げられるのが、全日制の日本人学校である。 海外子女をバイリンガルに育てるということは、母語である日本語(L1)と、その土地の言語である外国語(L2)…
やっと半分・・・ 第6章♣アメリカのバイリンガル教育 これまでの経緯 「アメリカのバイリンガル教育」の目的は、私たちの目指す「バランス・バイリンガル」の育成ではない。 連邦政府から援助の出る「バイリンガル教育」とは、「子どもの英語の力がつくまで…
第5章です。 第5章◎イマージョン方式のバイリンガル教育 イマージョンとは 'immerse' という動詞から来たことばで、「その言葉の環境にトータルに浸る」という意味です。似たことばにサブマージョンということばもありますが、これは「溺れて浮かび上がれな…
やっと第4章です。 第4章■家庭で育てるバイリンガル バイリンガルを育てる上での母語の役割 バイリンガルの基礎作りで一番大事な家庭の役割は、第2,第3の言葉の基礎になる母語、すなわち第1の言葉(L1)をしっかり育てることである。 別にバイリンガルの話を…
今日は第3章で勉強 第3章●バイリンガル教育の理論 カミンズの「2言語共有説」 では、実際に2つの言葉がバイリンガルの頭の中で、どのように繋がっているかということだが、まず、図を見ていただきたい。この図は、2言語が互いに関係があるといっても、表層面…
今日は第2章で勉強 第2章●子どもの母語の発達と年齢 年齢と母語の形成 中島は社会言語学者柴田武の提唱した言語形成期(柴田 1956)の概念を拡張し、バイリンガル育成の立場から以下のような説を唱えている。 年齢 内容 バイリンガル育成にすべきこと 0〜2歳 …
バイリンガルが就職に有利かどうか、考えてみました。有利な条件としては、以下のような場合が考えられます。一つづつ考えてみましょう。 バイリンガルでなくてはできない職業 バイリンガルのほうが有利な職業 海外で就職する場合 バイリンガルではなくては…
今日はこの本で勉強。著者は言語学の専門家で、現在はトロント大学の名誉教授とのこと。 第1章★バイリンガルとは? バイリンガルの定義 バイリンガルの定義で成功した人はまだいないと言われるほど、バイリンガルという言葉の意味は複雑で捉えにくいが、ここ…
ミッション:バランス・バイリンガル 一言に「バイリンガル」といっても、ピンからキリまであります。目指すべきバイリンガル像により、選択すべき方法論も当然変わります。めぐちゃんはどのようなバイリンガルを目指すべきでしょうか? わたしは「日本語も…
裕子は留学のメリットとして、帰国子女枠の存在を指摘していた。 帰国したとき、岡崎先生と電話で話しましたが、めぐのチャンスもよく考えて生かすように、と言ってくれました。 (途中略) HMに残ってもいいし、修了書が出る学校に移ってそれを持ってかえれば…