2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧
自閉症患者には、比較的異食行為が多い。異食行為と一口に言っても、その内容としては食物以外のものを食べる場合から、特定の食品・飲料を異常な量摂取する場合など、様々である。異食行為に対する治療法は確立されていないが、この症例報告ではFLVX(デプ…
FTP(フロアタイムプレイ、フロアタイム)は、自閉症児と行動をともにすることにより、コミュニケーションスキルを向上させようとする方法である。行動の主体はあくまで児童側にあり、その意味では行動療法と正反対のアプローチと言ってもいいかもしれない。…
自閉症児は、さまざまなストレス等により気分障害を合併すると、時に自発性が極端に低下してしまう。このような場合、通常は日常的に行える行動が、他人に指示されるまで行えないことがある。この状態を、「指示待ち」と呼ぶようだ。このような症状が疑われ…
ニューロフィードバックを簡単に説明すると、脳波の状態によってビデオやゲームが中断するような装置を使って、被験者の脳波が一定の条件をみたし続けるよう訓練する方法。歴史的には1970年代からおこなわれており、いわゆる代替医療の一つとして欧米ではそ…
自閉症の発症要因に関しては、星の数ほどの研究が行われているにもかかわらず、未だにはっきりとしたことはわかっていない。遺伝要因と環境要因のどちらが発症に寄与しているのかさえも、定説がない状態である。個人的には自閉症は症候群であり、単一の病態…
神経イメージングとは、何らかの方法により特に中枢神経の活動性を画像化し診断に利用しようとするもの。現状ではPETやfMRIなどが主な方法である。神経イメージング上、自閉症の脳には通常とは異なる特徴があり、最近ではそれらの所見とミラーニューロンシス…
2009年のレビューなので「新規」と言うには若干古いものも含まれているかもしれないが、現在も通用する内容だと思う。音楽療法がグレードAというのは、ちょっと驚き。 Ann Clin Psychiatry. 2009 Oct-Dec;21(4):213-36. Novel and emerging treatments for a…
日本ではあまりおこなわれていないようだが、海外では自閉症に対してのω-3脂肪酸による治療の研究がしばしば行われている。日本であまり行われていないのは、ω-3脂肪酸がサバ、マグロ、イワシ、サンマ、ブリ、サケ、ニシンなどに豊富に含まれているため、通…
低機能自閉症であっても、コミュニケーション能力発達の潜在的能力を持っている場合が多い。また、常同行動などの特異的な症状も、低レベルのコミュニケーション能力の表れとして解釈可能である。自閉症の能力の発達は、通常の発達とは異なり、かなり年長の…
日本人がバイリンガルを目指す場合、第二言語の学習をいつ始めるのが良いのかは良くわかっていないが、いつ始めるのが良くないかに関しては、ほぼ意見が一致している。言語学を専門とするトロント大学名誉教授の中島和子氏は、9〜13歳は母語の固定を再優先す…
自閉症者とコミュニケーションを取る場合、音声による言語だけよりも、視覚情報を利用した方法が有効である場合が多い。PECSに関しては (Ganz, et al. 2011) 自閉症にPECSと音声発生装置が有用 - Record of Self-Development でも少し記載したが、積極的に活…
自閉症患者の視覚情報の処理の方法は、一般の人とはかなり異なっている。一般の人はまず全体像からどの部分にプライオリティを置くべきか確認し、登場人物などがいればその状況を重点的に把握しようとする。一方で自閉症患者はそのようなプライオリティを十…