2011-01-01から1年間の記事一覧
多言語社会にとっては、学校教育で使用する言語の選択は大きな問題となる。特に公用語と現地で主に使われている言語が異なる場合、状況はクリティカルである。言語は単なる情報伝達手段ではなく、考える手段であり、文化そのものだからである。地域社会・民…
イマージョンプログラムとは、学校教育における第一言語・第二言語の使用状況をコントロールすることにより、バイリンガル育成を目指す教育方法である。カナダはイマージョンプログラムを採用することにより、世界で最もバイリンガル教育を成功させている。…
世界には様々な言語が存在する。互いにとてもよく似た言語もあれば、全く違う言語もある。言語学では、この言語間の違いの程度を「距離」と表現することがある。よく似た言語は距離が近くて、相違点が増えるほど距離が遠いというように表現する。カナダでの…
母子ともに鍼灸を行うことにより、母親のうつ状態とともに子の症状も軽快したという症例報告。鍼灸は盲検ができないので、有効性を客観的に立証することは困難。対症療法の選択肢としては、あってもいいのかもしれない。 アスペルガー障害をもつ女児に対する…
少なくともADHD症状に対しては、ある程度の有効性は期待できるようだ。 Acta Paediatr. 2011 Mar 10. doi: 10.1111/j.1651-2227.2011.02263.x. [Epub ahead of print] Response to atomoxetine in boys with high-functioning autism spectrum disorders and…
最近、CD38遺伝子の異常によるオキシトシン障害が自閉症の原因の一つと考えられるようになってきた。研究が進めば、将来的には有望な治療法へ進展するかもしれない。 自閉症圏障害患者と健常者におけるCD38の2つの遺伝変異体(Two genetic variants of CD38 i…
自閉症に対するヨガの効果はよくわかっていない。この研究では様々な有益性が認められているが、対象が6例のみであり、評価方法も客観的とは言えず、あまり参考にはならないかもしれない。しかしこのような試みは、もっとおこなわれても良いと思う。 Int J Y…
現状では、自閉症に対するアニマルセラピーの効果は立証されていない。日本で行われた研究は、いずれもエビデンスレベルを満足させるようなレベルとは言いがたい。 精神科医療における「動物」(アニマル・セラピー) 広汎性発達障害とイルカ介在療法(原著論文…
バイリンガルには特発性言語障害が生じやすい。しかし、早期の診断方法は確立されていない。本稿ではSLIバイリンガル発症時の特徴をレビューし、早期診断の可能性に関して論じている。ただし、現時点ではSLIバイリンガルと「一時的セミリンガル」とを小児期…
談話能力の評価は、SLIバイリンガルの診断に有効な可能性がある。しかしこの研究で比較しているのは「モノリンガルSLI」と「バイリンガルSLI」であり、「正常バイリンガル」と「バイリンガルSLI」の鑑別に有効かどうかはこの結果からはわからない。 J Commun…
早期英語教育による言語障害に対し、遊戯療法が有効であった。 早期英語教育によって表出性言語障害となった幼児に対する遊戯療法の効果(The Effect of Play Therapy on a Japanese Child Suffering from Expressive Language Disorder Brought on by Early …
もともとの言語障害のタイプが、バイリンガルとしての熟達度に影響するという研究。言語発達障害はバイリンガルになりやすいが、特異性言語障害はバイリンガルになりにくい。ただし2例による症例報告なので、解釈にはより大規模な調査が必要だろう。 Folia P…